宇宙産業 参入目指せ 産学官の実務者が議論 県庁でシンポ

 宇宙産業に関わる人材の発掘・育成を目指す「ぐんまスペースアワード(GSA)2024」のシンポジウム(上毛新聞社主催)が13日、県庁で開かれた。「群馬から宇宙ビジネスを」をテーマにパネルディスカッションと座談会を行い、産学官の実務者がこれからの宇宙産業について議論した。
 パネルディスカッションには宇宙航空研究開発機構(JAXA)副理事長の石井康夫さん、アークエッジ・スペースCEOの福代孝良さん、県ものづくりイノベーション室長の飯塚良さん、群馬高専機械工学科教授の平社信人さんが登壇。九州工業大大学院宇宙システム工学研究系特任准教授の前田恵介さんが進行を務めた。
 石井さんは、国内宇宙産業の予算が急拡大している現状を説明。「衛星データのビジネス利用がもっと増えると予測される」と話した。福代さんは、日本がどれだけ役割を果たせるかが重要なポイントと指摘。「失敗を恐れずに新しい産業基盤をつくる」と話した。
 飯塚さんは「急拡大する宇宙ビジネスに、地域企業の参入を目指す」とした上で、行政分野で衛星データを活用する機運が高まっていないという課題を示した。平社さんは「商社やIT企業などのサービス業と連携し、ビジネスモデルを構築することで(宇宙産業が)前進する」とし、個人が衛星を所有する時代が来るのではないかと展望した。
 座談会にはIHIエアロスペース宇宙開発利用技術部長の杉村文隆さん、明星電気宇宙防衛事業部長の上田幸寛さんも参加。宇宙産業が抱える課題などを話し合った。
(根本雄作)

上毛新聞 掲載日 2024/06/14

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