缶サット仕組み学ぶ 高校・大学生ら前橋で講座 模擬人工衛星作り体験

 宇宙に関わる人材の発掘、育成を目指す企画「ぐんまスペースアワード(GSA)2025」(上毛新聞社主催)の体験講座が8日、前橋市の敷島公園で開かれた。県内の高校生や大学生、群馬高専生ら計12人が空き缶サイズの模擬人工衛星「缶サット」作りを通して、人工衛星への理解を深めた。
 缶サットはカメラやセンサーを載せた模擬人工衛星で、ロケットで打ち上げ、パラシュートで落下する間にデータを取得する。
 この日は、九州工業大大学院工学研究院宇宙システム工学研究系の前田恵介特任准教授(同市出身)と、テクノリンク(同市)の木村文映代表取締役が講師を務め、缶サットに載せる組み込みシステムや各センサーについて説明した。参加者は配られた電子部品セットを組み立て、プログラミングを施した。
 前橋東高2年の佐々城伸毅さんは「本格的なプログラミングは初めてだったが思っていたよりもできた。持って帰っていろいろ試したい」と話していた。前田特任准教授は「人工衛星が作れるような優秀なエンジニアが群馬から出てきてくれるとうれしい」と期待を込めた。
 GSAでは缶サット製作の技術力を競う「ぐんま缶サットチャレンジ」を11月、同市内で開催する予定で、今回の講座は大会参加を目指す人向けに開かれた。

上毛新聞・掲載日
2025/06/10

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