紙製ロケット大空へ 前橋で体験教室 宇宙関わる人材へ一歩 中高生11校66人

ロケット甲子園 グンマ チャレンジ

 宇宙に関わる人材の発掘育成を目指す「ぐんまスペースアワード(GSA)」(上毛新聞社主催)の小型ロケットの製作・打ち上げ体験教室が21日、前橋市の前橋女子高で初めて開かれた。県内11校の中高生計66人が火薬を使った紙製の「モデルロケット」の製作や打ち上げの経験を通してロケットの仕組みを学び、宇宙への思いを強めた。
 GSAは宇宙教育の機運を高め、宇宙に関わる人材の発掘・育成を進めようと、本年度始まった新規事業。7月8日には中高生向けの競技会「ロケット甲子園 グンマ チャレンジ」を同市の前橋総合運動公園で初開催する。今回の体験教室への参加で、競技会の出場条件となる「モデルロケット4級ライセンス」が取得できる。
 講師は、同市出身で千葉工業大惑星探査研究センター研究員の前田恵介さん(45)が務めた。前田さんは全国で宇宙教育活動を展開する経験を生かし、金属を使わない紙製のモデルロケットの構造や作り方を指導。安全確認の重要性も強調した。生徒たちは校庭で自身で作り上げたロケットを次々と空に打ち上げ、大きな歓声が上がった。
 参加した前橋女子高1年の永岡杏梨さん(16)は「ロケットが高く飛んですごい。仕組みも分かって興味が持てた」と話し、東京農大二高中等部1年の浅田心斗颯(ことは)さん(12)は「惑星を調べる仕事をしたいので、夢に向かって頑張ろうと思った」と目を輝かせた。
 前田さんによると、ロケットの性能を競う地方大会は全国的にないといい、「宇宙産業に関わる人材は不足している。触れる機会があることで、すそ野拡大につながる」とGSAに期待した。(林哲也)

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