《しつもん》
「ウルトラマンがすんでいるM78星雲は本当にありますか? あるなら、どんなところですか?」
(沼田(ぬまた)小2年 和田梓(わだあずさ)君)


「M78星雲」というのは、ほんとうにあります。
地球や太陽は、「天の川銀河」という、直径約10万光年(1光年=約9兆キロ)の銀河系のはじのほうにあります。天の川銀河は、太陽と同じように明るく輝く星(これを恒星と呼びます)が3000億個ほど、うずまき円盤状に集まってできています。
M78星雲(Mは18世紀フランスの天文学者「メシエ」の頭文字です)は、オリオン座にある「反射星雲」と呼ばれるガスのかたまりで、地球からは1600光年ほど離れています。これは近くの恒星から出た光がガスに反射して雲のように見えるので、星雲と呼ばれていますが、そこにウルトラの星のような天体があるわけではありません。
というのも、実はウルトラマンの故郷は、M87星雲と言うべきところが、M78と間違って伝わってしまったからなのです。M87星雲は、地球から5000万光年以上はなれた大きな銀河系で、ラグビーボールのような形をしています。両方とも家庭用の天体望遠鏡でも見ることができるそうです。
東京大学国際高等研究所
カプリ数物連携宇宙研究機構長
横山順一教授
掲載日
2018/06/17