-しつもん-
宇宙を縮尺してみると、銀河の集まり方が一様ではありません。網目模様のようになっていますね。その模様と生物の脳内細胞「シナプス」の模様がとても似ています。宇宙は何かの生物の脳内なのですか?


この質問を読んで、「銀河鉄道999」の一場面を思い出しました。登場人物のメーテルと鉄郎が、綿菓子のような形と大きさの雲に出合います。その雲は小さな多数の粒でできていて、その一つ一つが私たちとは別の世界の星であり、雲自体が天の川銀河とは桁違いに小さい別の種類の銀河だというのです。
もしそんな小さな世界に住む人が鉄郎の頭の中をのぞいたら、自分の世界の銀河と見まちがえるかもしれませんね。
脳の中のシナプスは、神経と脳の間の信号のやりとりが効率よくできるように、ああした形になったと考えられます。
一方、銀河は宇宙が膨張する間に、密度がまわりより高かったところにより強い重力が働き、その結果、ますます密度が高くなり、星が集まって銀河に成長したのです。したがって、何らかの目的を持ってシナプスとよく似た形の分布になったわけではありません。
東京大学国際高等研究所
カプリ数物連携宇宙研究機構長
横山順一教授
掲載日
2018/11/04